フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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(ガサガサと葉擦れの音が聞こえたかと思えば、印象的な外見の男性が背後から現れて。森で遭遇イコール熊といった稚拙な連想が頭を過ぎり、一瞬ピクリと体を硬直させ。だが聞こえた声音が想像の雄叫びではなく、澄んだものであった事に大袈裟に肩を落としては安堵する。恐る恐る背後に振り返ってはマジマジと声の主を見詰めて。「はぁ〜、ビックリしたわ!熊か思うて一瞬ヒヤヒヤしてもた。これ、食べたらお腹壊したりするん?」指し示された木ノ実を一つ摘んでは光に翳し吟味するように眺め。食べる気はなかったものの、敢えて忠告されてしまえば興味は湧くというもの。興味津々、とその様子を隠す事なく問いかけ。次いで聞かれた誰か、とは誰だろう。小首を傾げ、ぐるりと周囲を見渡す。森へのお出掛けもここ最近は一人で手慣れたもの。「うち一人やで。迷子になった時の対処法も聞いとるし大丈夫!心配してくれておおきに。お兄さんこそ、えらい汚れとるみたいやけど、何かしとったん?」器用に動く六つの腕に感心げに吐息を零しながらも、生来の気さくさでニンマリと笑みを浮かべて会話を続け。「はい、顔も汚れとるで。何や顔色も悪そうやけど大丈夫?」その頬にも泥跳ねを見付けてはポケットからハンカチを取り出し、何とか背伸びをして泥跳ねを拭おうと世話焼きを発揮。その際に間近で見た皮膚の色は青白く、それが本来の彼の色だと判断がつかず、具合が悪いのかと心配げに眉尻を下げては顔を覗き込み)
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