フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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プレゼントだったのですね。ならば喜びも一入、という訳ですね(もう一度ステッキとカバーを瞳に焼き付ける様に見詰めては、有り難うのお礼の言葉と共に落とさぬ内に彼へと返して。その友達を紹介する時の彼の笑みは、これ又今迄見てきた笑みと少しニュアンスが違うように感じた。また一つ違う一面に出会えた事に感謝しつつ、すっと彼の顔を下から眺めるように横合いから顔を覗かせては「…でも少し焼いてしまうな。私がプレゼントしてもその様に嬉しそうに語って頂けますか?」落としたトーンで囁くように告げて。だがプレゼントとは押し付けるものではない事は重々承知。感謝の気持ちがプレゼントとなるのだから。背筋を伸ばし体勢を戻しては彼より一歩前へ進み出て「と言っても、私には物作りの才能がないのできっと幼稚園児が作ったような物になってしまうのでしょうけど」クスクス、と冗談交じりに笑いながら肩越しに振り返り、普段のすました笑みと比較すると幾分か砕けたものを送って。相手の唇から待ち望んでいた言葉が音となって己の聴覚を刺激する。笑みはより一層深まり、喜びを示すように「あぁ、有り難う!ジャバウォッキー。貴方に名前を呼んでもらえて、とても嬉しい」ゆるりと両の腕で彼の体を包んでは、ポンポンと数度背を叩き、素直な感想を述べ。目的地であった出店街に着いては、顔見知りとなった住人はもちろんのこと、初対面の相手にも目が合えば自然と唇には笑みが刻まれ、気負う事なく挨拶を交わし。ステッキの先を追い掛けていた視線は、抱き寄せられた事で意識は彼へと向かい。奇しくも、彼自身が店から己の集中を逸らすことになった訳だが。肩口に置かれた手にそっと己の手を重ね「ふふ、強引な貴方も素敵だ。不意にされるとドキドキしてしまうな」間近く迫った距離を良いことに金色に輝く瞳を見詰める。先程手を握った時も思ったが、鋭い爪は己を傷付ける事なく、寧ろその逆で優しく包み込んでくれる。言葉にはされぬ思い遣りに彼の人となりが隠されているようで、蕩けるように瞳和らげて。彼が経営する時計屋へと歩みを進め、店内に並ぶ時計へ視線を走らせるも、種類の豊富さに先ずほぉと吐息が溢れ、次には迷うように色々な時計へ意識は奪われる。矢張りここは専門家に聞くべきか。服の裾を捲り、手首を露わにさせては「ならば貴方が選んで下さい。私を飾る時計を」甘さを含んだ声音でそんな頼みごとを一つ)
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