フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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(薔薇の香に混じり届いた声は独特の喋り口調とイントネーションが印象的で。oh!と感嘆符と共に眉尻を上げ「ユニークな方だ。貴方みたいな素敵な人に褒められるなんて私もまだまだ捨てたものではないですね」軽やかな笑い声と告げられた軽口に、小さく擽ったげに肩を揺らしては、同じ調子でパチリとウインクして戯れの言葉を続け。そんな明るい空気の中、一瞬彼の瞳が鋭く細められた気がした。どうやら一筋縄ではいかぬ人物のようだ。関われば関わるほど彼に秘められた奥深さにハマっていきそうな錯覚を覚える。これだから人と関わるのは楽しい、と改めて思うに至る。繋がれた手に引かれるまま歩みを進めながら「あぁ、今日は出店街に用がありまして。そのついでに色々と散策しようかと」片手に持っている荷物を持ち上げ存在を主張し。丁寧な自己紹介に愛想よく目尻和らげ「私は初心者アリス、とでも挨拶すべきですかね。時計を売ってるなんて素晴らしい。是非今度遊びに行かせてください」時計屋というからには様々な種類の時計が置いていることであろう。チクタク、と秒針が刻まれる音は聞いていて心地良い。そんな時計を売る彼と出会えたのも何かの縁。厚かましさを感じさせぬようサラリとした口調で「折角出会えたのです。もしお時間があれば貴方のオススメの場所を教えて頂けませんか?お恥ずかしながら、未だ城外に出る事が少なくあまりこの国を知らないのです」誘いの言葉を落とす。空を見上げると散歩日和の暖かな日差しが降り注ぎ、チラチラと顔を照らす。気持ちの良い午後、果たして彼に先約がなければよいが、と窺い見て)
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