フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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(手から転がり出た賽子の目は2。案の定な結果にやれやれと肩は竦めるも、その分目の前の彼の唇を思う存分貪って。ギラギラと欲望にギラつく瞳は何やら己と同じ穴の貉な気がして仕方ない。次に提示された代物は今羽織っているコート。更に続けて賭けの代価として己の衣服が連ねられていけば、いよいよ可笑しさが込み上げ"__っく、はは!"嚙み殺しきれなかった哄笑を響かせ。「俺に猥褻罪で捕まれってか?生憎露出する趣味はねえし、手袋もちょいと訳ありなんだわ」面白いことこの上ない。是非その賭けに乗りたいものの、衣服の下に隠された大小の裂傷、左肩の生々しいつなぎ目は見ていて気分の良いものではなかろう。周りで各々に賭け事を楽しんでいる住人も白けてしまうだろう。明確にはしないものの、押し込めた陰湿とした声音で断りをいれ。ふ、と思わせぶりに瞳を細め、彼の手の甲へ指を這わせては「俺の裸体が見たけりゃベットの中で、な?」其れこそ潔癖な人間には直ぐさま手を振り払われるであろう言葉を囁き落とす。彼も嫌悪で顔を潜め拒否するならば周りに誰も居ない所で、が良いだろう。胸中で付け足した思いは音にする事なく、ひっそりと己が内で隠す。さて彼が提示する衣服が無理ならば他に何があったか。ガサゴソとコートのポケット内を漁ってみると秒針を止めた懐中時計がコツリと爪先に当たる。ジャラリとそれを取り出しては「壊れモンならあるんだがなァ」さてこんな物が代価となるのか。シンプルなデザインのシルバーでコーティングされた懐中時計。色々と思い出はあるものの、そろそろ手放そうかと考えていたところだ。丁度良い機会かもしれぬ。ディーラーである彼の返事を待ち)
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