フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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(もごもごと口籠る口元も、控えめな眼差しも、僅かに輝く瞳の煌めきも可愛く見えるから仕方ない。親バカならぬ恋人バカ。抗えきれぬ恋人のお強請りごとに、ぐぬぬ、と口をへの字にし。己を律するべきだが、恋人の願いも叶えてやりたい。その思いの狭間でゆらゆらと天平は動き、暫しの沈黙が克明に己の苦悩を示す。結局傾いた方向は妥協として出された彼の案に乗るというもの。仕方ないな、とばかりに苦笑を滲ませつつ「分かった、全部半分こにして食べような。数をちょろまかせたりしたらアカンからなァ」負けたのは己の意志が弱かったから、其れを彼の可愛らしさのせいにしては、少しの八つ当たりも込めてむぎゅ、と柔らかな頬を掴んで、苦し紛れの反論を。袋を受け取り覗く様子から、じわじわと何かに思い至り目元を染める様子までばっちりと視界に納めては、彼の反応が上々だった事に機嫌良さげに笑み漏らし。この時期に渡すチョコなど一つの意味しかない。それを確認する初々しい様にふはっ、と口元が緩み、チョンチョンと彼の唇の感触を楽しむように指先で触れながら答え合わせを行い。「御察しの通り。バレンタインにチョコあげるなん、一つしかないやん。いっつも有難うさん、ふーちゃん。大好きやで。此れからも仲良うしような」彼の期待に応えるべく、ストレートに気持ちを表現する。きっとこのまま話し続けていれば部屋で彼と二人の時間を過ごしたくなる。折角彼も外へ出る気になっているのだ。緩く片手を恋人繋ぎにしてはチョイと引っ張り「ほら、外行くんやろ?お菓子も勿論やけど雑貨とか、占いとかも行ってみたいわァ」今日したい事を列挙しながらも、お菓子を買っても良い事をにおわせるのは他ならぬ彼の興味を刺激するためで)
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