リーダー 2017-03-25 16:46:39 |
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>琉己
( ふわりと表情綻ばせ笑みを深める姿は、まるで遅効性の甘い毒のようだ。初めて目にした時には漠然とした感情で可愛いとしか思わなかったが、今や笑顔一つでいとも容易く心を揺さぶられる。気が楽だという言葉に追い撃ちを掛けられれば喜びが滲み出てしまわぬよう淡々とした声音で「同感だな」の一言だけを返し。相手を振り払った左手首は触れていた温もりを失って徐々に平温へと戻って行く。手持ち無沙汰で救急箱から絆創膏を一枚拝借すれば傷痕を覆い隠すように貼り付けながら相手の瞳を見据え、手荒な態度を取ったことを悔い。「__いや、アンタに手当てして貰えんのは有難い。だが…、」決して相手の行為自体に不満があった訳では無く謝罪するべきはいきなり憤慨し出した己だ。そしてその理由を伝えようと口を開くも酔っ払った客がガヤガヤと騒ぐ声や、此方の様子をずっと見物していたのかヒュウと指笛吹いて囃し立てられれば途端に気が萎えて。「なぁ、外に出ないか。少しばかり夜風に当たりたい」静かな場所で話が出来るよう、店内から相手を連れ出す口実を適当に述べて微かに笑み浮かべ。 )
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