囲われた中で(BL、1対1)

ひでぇな。マシなのは本当だって。
此処には俺よりやべぇ奴がうじゃうじゃいるんだ。遠くない未来、俺と一緒の牢で良かったと心から思うことになると思うぜ？
そうか？まあ、心境の変化があって心細さを感じたらいつでも言えよ。特別に優しく慰めてやっから。
つか、悪ぃな。話し易いからかついつい話しすぎちまう。此方はドロンするな？
また何かあったら声掛けてくれ。



だから無理だって。悪ぃが、俺はアンタと距離を置くつもりは一切ねぇ。アンタが離れていけばその分詰め寄ってやる。覚悟しろよ、新人。
(馴れ合いを拒む目の前の人物が別の囚人なら大人しく引き下がっただろうが、そうしないのは初対面である筈の相手の事を気に入ってしまったからで。そんな相手を易々と逃がすような玉でなければ意思表示とばかりに相手の胸元を指先でトンと軽く叩き口角をつり上げながら宣言し。それと同時に突如通路側から流れてきたメロディーは今の雰囲気や台詞をぶち壊し台無しにするかのような脱力すらしてしまいそうになるメリーさ●の羊。あまりのタイミングの悪さに溜め息を漏らすと開いたままだった扉を閉めに行き)
もうすぐ消灯だとよ。