( 戦国ｎｌ )　消えぬ怨恨、消えぬ愛惜　

　　　　　　　(　　世界　　)



　妖怪と人が溢れる戦国時代。とある場所では妖怪が支配し、又同じくとある場所では力ある武将が支配している世の中。だがその武将には妻がいたが子を成すことはなく不治の病で若い命を落とし、子を成す為に已む無く別の女性を娶る事に。最初はぎこちない夫婦であったが日々を過ごす中軈て愛を囁き合う仲へ。＿＿＿が、その出来事の裏にて人間では無し得ない事が行われていた。


　国外から、魔術師が二人やって来た。その二人の魔術師は尤も名の知れた武将の妻が命を落とした事を小耳に挟み日本へやって来たのだった。そして魔術師は墓を暴き、骨を盗んでは各地の妖怪が支配する不浄の湖へと沈め一年と言う長い時を経てある事を成し遂げた。それは、死人を甦らせるのと同時に妖怪へと変える恐ろしい禁忌の術だった。


　死人となった武将の妻を甦らせ、妖怪としてこの世に再び降り立った武将の元妻を見て魔術師は夫であった武将の話を述べた。その話を聞いた元妻の心は憎しみに染まり、同時に哀しみに嘆いた。それを魔術師は「 復讐の手助けをしてやろう 」と告げ、その手を怨恨は握り武器を手に取った。そしてそれを合図に各地の妖怪は声を張り上げた＿＿＿。


　各地の妖怪は集結を呼び掛け、今や集まりつつあった。又、武将達も同様妖怪を伐つべく備えつつあった。魔術師は裏で手を引き、軈て迎える戦乱の時を待つのと同時に怨恨と愛惜に染まりきった醜女に想いを寄せ始めていた。怨恨染まりし荒魂は復讐を成し遂げるのか、それとも＿＿＿。