赤の騎士 2017-03-01 00:05:01 |
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(何時から自分はこんなにも弱々しい女性に成り果ててしまったのだろうか、淑やかに立ち振る舞うことなど随分慣れてきていたはずなのに相手が関わるとこうも簡単に崩されてしまう。今だって子供っぽくぐずぐずと相手の肩を涙で濡らし、嫌だと駄々を捏ねそうになる口を噤むのが精いっぱいだというのにそんな自分さえ優しく抱きしめ理不尽に平手を見舞った頬の痛みすら受け止めてくれる相手にきゅっと胸が詰まる様な感覚を覚えれば一層強く相手に抱き付いて。「__待ってる、から」か細く一言を口にするのも精一杯で、寂しさに急き立てられるように滲む涙を相手のシャツに染み込ませながら小さく鼻を啜るとそれ以上の言葉は飲み込み。女性として相手の言葉を待つのは心細いけれど、それでも自分だって相手の本当の名前を知りたいのは同じ。だからこそこれ以上相手を困らせてしまうような弱音を口にしてしまわないようそっと唇を噛み締め。突然の寂しさに胸を痛め涙してしまったからか、はたまた夜更けのホットミルクが今頃効いてきたのか、相手の腕の温かさに安堵を覚えるからか、次第にぎゅっと喉を掴むような奥底の寂しさがぼやけ緩やかな倦怠感が体を襲うと、相手の肩に顔を埋めたまま静かに意識を眠りの世界へと飛ばして)
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