十二ノ獸ニ哀惜ヲ。【 和風×戦闘 / ３ｌ / 人数制限有 】

>>未来

ああ、そいつは僕も同感だ。それに…、今夜は特に冷える。
（ 何時の間に現れたのやら隣から不意にかけられた声に一瞬息を詰まらせるも、動揺を隠すべく先ずは平静を装い軽く言葉を返して。相手の穏和な語調は柔らかく邪気を感じさせぬものだが、元は十二支の仲間と言えど己にとって今や彼もまた敵軍勢の一人。態々親し気に声をかけてくるなど何か裏があるに違いないと推算したのち、コートの内に潜ませていた小太刀を手早く取り出せば鞘を被せたままのそれを相手の首筋へトン、と当てて ）
――だから本当はこんな事せず、さっさと家に帰りたいところなんだよ。…けど君が苦手な寒さを堪えてまでここへ赴いてくれたんだとしたら、その気持ちに応えないわけにはいかないからね。
（ ツ、と鐺で輪郭を辿るようになぞり顎先へ止まると相手の双眸を真っ直ぐに見据え。 ）


>>虎坂

…大河。丁度これから帰るところだよ。
（ 隣へ姿を現した親しい友人の姿に心ともなく笑みを零し、問い掛けに対する簡潔な返答と共に軽く肩を竦めてみせ。ふわりと鼻腔を擽る芳しい匂いに気がつき視線を相手の手元へ落とせばコンビニのロゴマーク入りの小袋が目に入り、呆れを含んだ吐息を漏らして ）
まぁたコンビニか。どうせ研究が忙しいとかでロクなもん食ってないんだろう。今夜はうちへ来いよ、久々に飲もう。
（ 口角を上げ、自宅の方向を親指でクイッと指し示し ）


>>鬼蛇

ちょっと待って、そこの君！
（ 聞き覚えのある声に俯かせていた顔をハッと上げ、今し方目の前を通りがかったばかりの女性の方へ視線を向け姿を確かめれば、長い黒髪や服装等の特徴から彼女が同胞のある人物であることを確信すると同時にその背中へ呼び掛けて。傍へ駆け寄り今一度相手を確認したのち、安堵したらしく頬を緩ませて ）
鬼蛇、やっぱり君だったか。夕陽に見惚れて僕が居たのに気づかなかった？


>>猿渡

…半分は正解、半分は外れだ。
（ 道路脇の樹に凭れる影には気づかぬ侭その傍らを通り過ぎんとしたところ、不意に耳に聞こえた言葉は明らかに自身を指すであろうもので。体躯の小さき故か子供と見間違われる事には不本意ながら多少の慣れがあるものの、矢張り不満は有るらしく眉の間を微かに曇らせて。その勘違を否定する意の言葉を返しながら俯きがちに下方へ落としていた視線を声の方へと上げれば、其処にあったのは敵方の一人の姿ではないか。予期せぬ事に双眸をぎょっと見開き、単独行動中に敵軍の、それも身体能力の高さは確実に己に勝るだろう相手と出くわしてしまった自身の不運に苦笑を浮かべて ）
こんな場所で会うなんて偶然だな。……それとも、待ち伏せでもしていたか？
（ 警戒心から二、三歩後方へ下がり距離を確保しつつ、左手は小太刀の鞘を握り鍔に親指をかけ、険しい眼差しを相手へと向けて。 ）