【BL松】自称ヤンデレしてたら恋人がガチだった話【ごうほりゅごう】

【BL松】自称ヤンデレしてたら恋人がガチだった話【ごうほりゅごう】

松野カラ松  2017-02-11 16:32:53 
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「なあなあ聞いてくれよトド松ぅ、一松ぅ!」
「なにおそ松兄さん」
「どうせまたストーカーでしょ」
「ストーカーじゃねぇよお、失敬な!…いやぁね?チョロちゃんってば可愛くてさあ」
「だろうね」
「まあだろうね」
「もうほんとちょっと甘い顔すればチョロリンだませちゃうわけでさ。危ないからお前の身を守るためだから……って言ったらさ……じ、GPSの…ぶふっ、浮気防止アプリ……ぶっ、い、入れてくれやがった…!」
「ふぁぁぁっ、何それおなか痛いんだけど!」
「それ居場所と着歴わかるやつ?」
「すっげーうけるよな!?な!?まああいつスマホ置きっぱなしにしてよく家出ちまうけど……」
「でも収入さして有るわけないから他に誰かと電話したりメールしたりできないだろうしスマホの着歴見れれば十分じゃない?」
「つーか浮気なんかできないっしょ…」
「良いとこだまされて終わりだろうによくやるよねえおそ松兄さん」
「えー?だって……あいつ可愛いんだもん……俺の他に触るやつなんか居たりしたら俺つぶしちゃーう。…そういう一松トド松!お前らこそ!」
「カラ松には俺盗撮と収集くらいしかしてない」
「僕もトド松くんの一個上のお兄ちゃん可愛いよねって言ってきた子のSNS炎上させたくらいしかしてないよー?」
「ぶっはっ!十分ヤバいから!十分だから!なんだよ特に一松収集!?」
「…写真と……声……一緒に猫カフェいってくれたときのムービーもちゃんと俺保存用にコピーしてる……」
「怖いよぉ、俺怖いよぉいちまつう」
「ほんとほんと!…あ、ちなみにその僕のくだんの女の子ね、最終的にはあること無いこと噂ながされてグループラインからも追放されたよ」
「トッティィイこぇえよぉお!…も、ほんっとあいつら鈍感っつうかさあ」
「まああの三人ほわほわしてるからねー」
「天使」
「ほんとそれな!…たまに俺らの愛のがでかいんじゃないかと不安にもなるんだよねぇ」
「あるある」
「分かる分かる」




同刻………。


「はぁぁあっ……聞いた?聞いた?」
「あいあい!真似してあげんねー!……あいつ可愛いんだもん……俺の他に触るやつなんか居たりしたら俺つぶしちゃーう……」
「あぁあぁぁぁあっ!おそ松兄さん…っ可愛いっ!!」
「一松…ああ、いちまついちまついちまつう………っ。また俺のタンクトップがなくなったのはお前の仕業かぁ…はは、かわいいなあ…」
「僕達の中で一番やばいのお前だもんね」
「愛がヤバい!」
「褒め言葉だぜ……なあチョロ松、俺の撮ったビデオだけじゃたりないんだが……」
「分かった分かったって、ちゃんと高画質高音質は保証するし何なら着ボイスも作ってあげるし総集編CDにもしてあげるから」
「!!、チョロ松………っ!!!」
「この間のお礼だよ」
「?なんかあったんすか?」
「十四松はそのとき株主総会で色々あって忙しかったから知らなかったか」
「カラ松機械いじりは苦手だけど基本的なストーカー能力と演技力は異常に高いからね……。おそ松兄さんに女の子が寄ってきてさ。逆ナンかましてくるわけよ。」
「俺はおそ松に変装しただけだぞ?こっぴどく振ってやったら居なくなってくれたし、そのあと軽く援助交際してるという噂を流しただけさ。お嬢様高校だったし。」
「もしかして髪の毛長い緑のセーターの子!?」
「おお、知ってるのか十四松」
「トッティの女友達のいもーとさん!……僕のトド松に手を出しかけた子のいもーとさん…」
「…もしかしてその子」
「もうトッティには近付けないよ!トド松に嫌われるように僕根回ししたっす!…トド松、僕を嫌う女の子と僕を好きな女の子、どっちもきらいだから!」
「だからわざとこの間にこにこしてトド松の友達同士たちと遊びに行ったんだな-?わるいこだじゅうしまぁーつ?」
「トッティはおれのだもん!かわいーの!」
「…そう言ってトド松が喧嘩売られたとき速攻でころしに言ったよね十四松」
「後処理は幾らでもしてやる、怪我はするなよ」
「金に物言わせてるからね」
「ドラマのエキストラでも貯まる物は貯まるんだ。……それに……」
「それに?」
「なんすか?」
「お前ら二人にも幸せになって欲しいからな……俺は持ってる金は全部ブラザー皆を守るために使うつもりだ、欲しい物はさしてない……強いて言えば……ふふ。」
「…カラ松の計画ってとんでもないよね」
「おれは賛成派だけどんねー!」
「まあ僕も賛成だけどね。でも最終手段かなあ……おそ松兄さんには外がよく似合うもの。楽しい物を沢山見せてあげて……笑ってる顔……それが僕一人に向けられたときが好きだから」
「そのときが来たら教えてくれ。チョロ松のことは俺が守る。…チョロ松の恋は終わらせん。十四松もだ。六つ子は皆で一緒……だろう?」
「!にいさん!」
「カラ松…」
「今日は美味しい物を食べて帰らないか?丁度このホテルのコックの一番腕が良い奴が出勤日なんだ。一松に精一杯バイトして貯めたんだという設定で食べに連れてったとき涙してたくらい旨いんだぞ」
「それ泣いてた理由美味しいからじゃないと思……まあいいか。いいよ、いこう。」
「カラ松にーさんのおごり!!!」
「ふふっ……ん?」


『ねえねえあの三人格好良くない?』
『あたし赤いパーカーの人が良いなあ』
『三人で飲んでるんだね、声かけちゃう?』


「「「………」」」

「チョロ松」
「OK、今おそ松兄さんにお前がパチンコ勝ったから確保したって電話入れて外に出させる」
「十四松」
「あい!カラ松にーさんの専属タクシー手配オッケー!」
「ナイス。俺からも掛けておかないと多分おそ松に任せっきりになるな。そうするとガール達に隙を与えてしまう。三人で同時に電話しながらタクシーに乗り込むぞ……あっ、もしもしいちまつ!?一松ぅ!!たすけっ!たずげでぇ!」
「もしもしトッティー!?カラ松にーさんパチンコで勝ったから発見伝!」
「いま三人一緒にいるからつれてくけど…え?なに丁度三人?そっちも?じゃあ待ち合わせしようよ、結構勝ったみたいだからのみやとかじゃなくて寿司いこうよ寿司…」




しばしおまちを。





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  • No.3 by 松野チョロ松(回想)  2017-02-11 21:56:42 


*???*



僕の兄と弟はヤバい。

正確にはあのふたりだけはヤバい。
異常さに気がついたのは僕たちが中学生に上がった頃だった。
最初はカラ松だった。えんげきぶにはいりたてのかれはまだ自己を確立しきっておらず、無鉄砲でけんかっ早い性格は残っていた。段々体の大きくなってきた僕たちは家の風呂では六人交代になっていき、時間がかさむという理由で銭湯に切り替わった。その頃、みんな広い風呂を楽しみにしていた中でカラ松だけついてこない時があった。珍しい。瞬間湯沸かし器みたいな彼が。飽きっぽい彼が新しい物に一番飛びつきやすいのに。

僕は、一種の好奇心で様子を見に行ってしまった。止めておけば良かったかも知れない。普通に家の風呂を独り占めできるのを楽しんでいるかもしれないから。

「ふんふふん、ふんふーん」
(鼻歌……?お風呂場からだ、やっぱ普通に家風呂楽しんでたんだな。なんだ。なんかやな予感がしたけど気のせいか……あれ?母さんと父さん出かけてるんだ……買い物かな……)
「…にしても見事に切っちゃったなあ、真っ赤っかだ」
(切った?…怪我でもしたのかな……)
「彫刻刀の扱い、あまりうまくないもんなあ」
(そうだったっけ?カラ松裁縫とかもできるしそんなに不器用だった覚えは──あれ?)

彫刻刀で切ったなら手を怪我するはず……カラ松、手なんてどこも。…むしろ今日怪我をこさえて帰ってきたのは、たしか。

「…すっかり包帯にまで血を付けて…あまり心配掛けさせちゃ駄目だぜ、い、ち、ま、つ。」
(ーー!?)

風呂場から聞こえたリップ音と、薄い血の香り。なんで。カラ松が一松の使っていた包帯を洗ってる!?な、なんで?いや、きっと優しいから洗ってやって……じゃあ今のリップ音は??

「…ああ…端に血がついてる。良かった。これくらいなら切り取ってもばれないな…後は洗っておいて、残りは貰おう。…洗う前に……んっ…」
(─へ!?何この音……まさかっ…)
「…ん、…っんく。…はは。…六つ子の俺達の体で余り意味は無いが…またひとつ一緒になったな、いちまつ。」

(───あいつ、この音、包帯に水入れて…っ!!吸って……────!!!!??)



がたん。




「……ふふ、…っはは。二階に逃げたみたいだ。……あいつにはいずれバレるだろうからな。頼っても来てくれると思うし…あいつの目が誰を見つめているか分かり易い…流石は六つ子。チョロ松の芽にも俺に似たものが映るのも分かってるからな。…早く恋バナしたいなあ。」




その後、カラ松はいつも通りだった。十四松が恐ろしいと知ったのはそれから時が少し経ち高校に上がった頃だった。カラ松も銭湯に来るようになったから安心していたら、今度は十四松が早風呂をして一人で帰るようになった。
僕はこわかったんだとおもう。
でも、見に行ってしまったんだ。


(何できちゃったんだろう、でも、でもまさか十四松まであんなことになってたらって……)
「あれー?チョロ松兄さんまでどったのー!?」

明るい声。十四松はゆらゆらとバランスボールでゆれていた。
僕はその場で杞憂だったと安心した。

(なあんだ……思い違いか、走ってきて喉渇いちゃったよ…)

「いやー?ちょっと僕麦茶取ってくるね」

麦茶を取りに台所まで向かう。
でも、違和感があった。

(………?床下の戸が半開きになってる。)

思わず手を伸ばし直そうとしゃがんだ。
視界に飛びこんできたのは。

(……っ、…これ、トド松宛てのラブレター……!?他にもプレゼント…だよねこれ!?全部破られてるしな、な、なななな何これっ!?)
「チョロ松兄さん」
「ひっ……!!!!」
「ばれちゃったあ、あはは。」
「ばば、ばれちゃったって、お前っ!これもしかしてお前が!?」
「うん。」
「何で!?」
「内緒にしてねチョロ松兄さん。僕ね、トド松とつきあえることになったの!」
「…は?」
「両思いだったんだ!だからね、守ってあげることにしたんだ!」
「──っ、まっ、話が読めない」
「カラ松兄さんにも助けて貰ってるの」
「────っ!!!あいつは……!」
「俺がどうした」

「っっ!!!!!」

「んー?…かわいいブラザーの恋が結ばれて嬉しくてな、よく相談を聞いてたんだ。まさか十四松のほうが早いとは思わなかったが恋バナできる相手ができて嬉しいぜ」
「ははは、はやいって、おまえ、まだ一松の事を…!」
「?…まだも何も……もうあいつは俺の物だぞ」
「……はあっ!!??」
「紆余曲折かなりあったが……やっと俺の物になってくれた。一松に擦り寄る女を自殺に追い込んだときは一番悲しかったな……どうして…どうしてあんなことしなければならなかったんだ…」
「じさっ……!?一松のクラスの子だよなそれ!?こないだ飛び降りした…!!」
「一松のこと好きだったからな、あの子」
「それだけで!?」
「好きだったくせに……騙すつもりだったらしい。一松を騙していじめに使うつもりだったらしいんだ。俺が許すわけない………まあその話しはよしとして。チョロ松、これなーんだ」

「!や、やめてよ!!!」
「地下ドルの写真集と見せ掛けるなんて流石だぜマイブラザー、中身全部おそ松じゃないか」
「見るなよ!やめろよ!!」
「…落ち着いてくれ、何もお前を糾弾するつもりもないしする資格もない。だが…分かってやりたくてこんな話をしているんだ。」
「は…?」
「おそ松が好きだろ」
「─!」
「兄弟が好きで、」
「やめ……」
「男が好きで、」
「やめろ」
「その気持ちは募るばかり」
「やめろって!」
「はてにはストーカー紛いのことまで」
「やめてよ!!!」
「僕はなんて気持ち悪いのだろう。僕はなんて最低なんだろう。親不孝だ。兄弟思いじゃない最悪な奴だ。消えてしまいたい。」
「やだ、やだやめて…!!」
「……チョロ松。もういいんだ」
「……っ」
「もう、苦しまなくて良い。お前は何もおかしくない。お前が誰よりも世界で一番兄貴を愛している。お前が自分を許せないのなら俺が許す。お前はおそ松を純粋に大事で大好きでとてもきれいな恋をしている。」
「そんなわけ…」
「あるんだ。俺は味方だ。十四松も。いいか?自分じゃ駄目だ、誰か綺麗で優しい女の子の方が幸せにしてあげられる…そう思ってるんだろう?」
「………」
「そう思って自分の気持ちを抑えられることはできるくせに、なぜその女の子を超えようと努力しない?」
「それは…」
「男だから?兄弟だから?生ぬるいぜブラザー。誰だって好きな相手と過ごすのが一番の幸せなんだ。おそ松にとっても。女の子より好かれれば良い。そして女より尽くし、守ればいい。」

なあチョロ松。

ねえチョロ松兄さん。


「「仲間になってくれない?」」



その日から僕は、二人と恋のために生きた。
監視から盗聴、なんでもした。
そんな日の続いた高校の卒業式の日だった。

「夢があるんだ」
「ゆめ!?なんすか、なんすか!」
「またどーせ、ビッグな俺とか言うつもり?」
「いいやそれはもう…叶ったぜ」
「バカかお前」
「ふふ……。……一松は外に出るのが余り好きじゃないだろう?好きなのは美味しい手羽先と猫ちゃんなんだ。だからな。

一松のためだけに居場所を作るんだ」

「それって、つまり」
「でもそれよりも一松はブラザーが大切だ」
「!だ、だめだよ!トド松おそと出ないと暗くなっちゃうから!」
「おそ松兄さんだって同じだよ!」
「分かってるさ、無理強いなんかしない。だが……万が一何かあったときのために胸にはとどめておいてくれないか?」
「カラ松…」
「カラ松にーさん…」


「六人みーんなで、皆だけで……幸せになれるところを俺が作る準備、するからな。」




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