記憶は定かではないが、幼い頃に私は死にかけたらしい。周りの子供たちよりも好奇心旺盛だった私は、すぐに何処かへ駆けていき行方不明になることがしょっちゅうだった。それは、自分でもよく覚えている。でも、肝心などうやって家までたどり着いたかは全く記憶にないのだ。しかも、帰ってくる時間はいつも明け方であった。でも、一回だけ、一週間ほど戻ってこなかった時があるらしい。冒頭に戻るのだが、その時の私は傷だらけだったそうだ。現に今もその傷が痕に残っている。そんな、怖い思いをしたのならば何故記憶にないのだろうか?ショック....の可能性もあるが、よく分からないまま私は心にぽっかりと穴が空いたような気持ちで時を過ごしていった。この後、何が起こるのかも知らずに_______。
「 あいつが帰ってきたらしいぜ 」
「 私は、あの子が嫌いかな。だって、偽善者じゃん。間違って殺しちゃいそう 」
「 いいじゃん、偽善者!化けの皮を剥いだときどんな顔をするんだろうね! 」
「 だ、駄目だよ、そんな事したら!迷子ならちゃんとお家に返してあげないと 」
「 取り敢えずさ、あの女を此処に連れてきてから話を進めようよ。生かすか処分するかはさ....」
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