主おじさん 2017-01-26 20:28:46 |
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本当のことを申し上げます、マダム。私がここに来たのは…あなたが呼吸する空気を呼吸するためです。
(あの人はそんなことを言っていた。
エリザヴェッタはホテルの一室から鉛色の河を眺めていた。「お身体に触ります」そういって付き人のラファエラが窓を閉めようとする。「いいえ、もう少しこのままでいさせてちょうだい」「ですが、明日は」「わかってる、わかってるわ」黙ってラファエラの方を見ないでいると、何を察したのかラファエラは「失礼します」とだけ言って部屋から出て行った。
エリザヴェッタはある男の影を側に置かせていた。
「あなた、何を見ているの?」おもむろに口に出してみる。
『あなたの人生を』男の声が聞こえる。
『それは全て、あなたの顔に表れている。あなたの目を見張るような人生、あなたの勇気、力、犠牲…あなたの美しさ!』
「……クサい言葉」河岸に一匹の黒サギがいた。
「結局、わたしは遊ばれていたのかしら」サギがギャア、ギャア声を上げる。
「それでも、私は」鳴き声に誘われ、白サギがやってくる。
「……あなたに会いたいわ、フェリックス」
二匹が翼をはためかせ、顔を向かいあわせて回り始める。黒と白が、混ざり合う。
エリザヴェッタには、あのベルリンのホテルの扉のように、それがいつまでも回転し続けるような気がした。)
(/某舞台作品の二次創作でロルを回したくなったので投稿しました。最初と『』付きの台詞は本編からの引用です。うろおぼえな部分があるので一部間違ってる描写があるかもしれません。
スペース感謝致します。)
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