おつかれ少年 2017-01-22 18:05:45 |
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(目の前のあまりにも見慣れた笑顔を見詰めて、保健室の出来事が嘘である事等直ぐに察してしまい。それでもこの場で“嘘だ”と糾弾し言及する事はせず、ただ「そうか」と問い詰めたい気を鎮めるように短い言葉を返し。どちらにせよ見る事になる。そう自らを納得させていた時、窺うような声で問い掛けられると怒りも苛立ちも一気に吹き飛んで。相手に同情した事等一度も無く、こんな姿を見る度にただ愛しいと感じるだけで、今だってそれを理由に嘘を吐かれた事も親に負わされた傷が綺麗な体に増えて行く事も、一瞬全てがどうでも良くなってしまい。「……ばーか。帰るぞ」不器用なあまりに安心させてやれそうな言葉一つ出て来ることは無いが、せめて態度で示そうとでもいうのかさらりと手触りの良い髪を労わるように撫でて。鞄を片手に立ち上がると、足で椅子の位置を戻しながら今朝冷蔵庫を眺めていて思い付いた事を口にし)
…今日は坦々鍋だからな。麺じゃねぇけど文句言うなよ。
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