主 2017-01-14 05:25:44 |
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- 世界観 -
「 傀物を殺す事が出来たなら、その傀物の持つ大いなる貌と力が得られるらしい 」
ある日、何処からかそのような噂が流れ出した。
傀物が現れたのは其処から一週間程前で、世界中の人々は傀物がどのようなものなのかすら分かっていない。
噂が流れるには早すぎる。疑問を持つ者は多く居た。
しかしネットワークという物があるこの時代ではそれも有り得る事だと、気付けば皆納得していた。
よく考えて見れば、傀物の出現を報道したニュースもネットワークの類いではなかろうか。
一ヶ月もすれば疑問を持つ者は居なくなり、世界中は傀物の話題で持ちきりだった。
「 大いなる貌と力とは 」
「 何処に居るのか 」
「 身内が傀物に殺された 」
「 傀物は人の姿をしている 」
「 人ではなく獣の姿をしている 」
「 傀物は容易に殺せない 」
「 大いなる貌を得るとはそのまま傀物の姿を貰う事ではなく自分自身の容姿が大いなるものに変化する事である 」
流された情報の中で特に持ち上がったのは、大いなる貌と力を傀物を殺すことで得られる事だった。
得た者は知らぬ間に周囲に尊敬され、憧れの対象となるという。
特別な力を手に入れた事により「出世する」「受験に受かる」「どのような病をも治せる」「新しく素晴らしい事が出来る」等ともいわれた。
だがしかし。傀物を殺すことは容易ではなかった。
各地に正体不明の死 体が上がるようになったのだ。
時には穴だらけ。時には切り刻まれ。潰され、噛み千切られ、なんていうのもあったそう。
明らかに人の所業ではないその殺 害方法から、傀物を狙えばこのように傀物に殺されるのだと言われるようになった。
人々は恐れた。
勿論死 にたくはない。それに今まで「大いなる貌と力」なんて無くとも生きていけたのだから一つとして問題ない。
傀物も此方から向かわなければ襲ってこないのだ。
殆どの人が傀物を殺す事を諦めた。
それでも何を思ってか、傀物を捜し出し殺す事を諦めなかった者達が居た。
世界中の人々はそんな彼等の事を、憐れみ、呆れ、そして敬意を持ってこう呼んだ。
傀物を狩る者「 傀物狩り 」と。
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