甘々 2017-01-02 16:58:52 |
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うん。本当に、……__うん?
(子猫が喉を鳴らすが如く笑う愛らしい笑顔に眉を下げ、いつの間にか次なる言葉が喉から這い出ようとした所一回り小さな手に掴まれ、ぱちぱちと瞳の開眼を繰り返し。先導する相手の誘い事なら断る理由も無く、強いていえば外へ出る事を許す程信頼されている身に昇格したのかとぼんやりと沈思黙考。テントの外へ久しく顔を出すなり元の世界と変わらぬオレンジ色の夕陽に染まる街並みに此ればかりは何処も変わらぬものかと苦笑、だが視線を奪われたのは街並みばかりでは無く夕陽の光によってより透けて輝くアッシュゴールドの髪が実に美しく艶やかで有り、毛先の赤みがより強調されているようで。漂う甘い香りは相手のものか、鼻腔を擽る香りは先程嗅いだ強い香水の香りとはまた少し違うもの、それを心地の良い生暖かな風が運んで行くのでさえ勿体無く感じられる。一層の事実体のある何かに変わって仕舞えば安易に手に入れる事も難しくは無いのかもしれないと馬鹿な思考を巡らしている間にどうやら黙り込んでいたらしく「…辛いポテトか、食べた事が無いよ。所で随分人気がある君が何も隠さず町に出て平気かい?」思考を巡らしているとはいえきちんと会話の内容は脳裏に止めている故に暫く間を置いた後に漸く唇を開いて。相手の好物を見付けに行く事含め町を探索するのは然程重要では無く、其れよりもつい先程まで舞台で客を盛り上げていた人物がこんなにも身を曝け出していて良いものかと少々腕に力を込めてみると偶然にも相手の行動と重なり手の甲にぴりっと小さな電流が走るような痛みが生じ。「痛ッ、それは辛いポテトでは無いよ。」やや後方を歩いていた位置から身を詰めるように肩が擦れ合う程近い位置にまで歩み寄り顔を覗き込むように首を傾け、手は口元から無理には外さずに薄桃色の唇からチラリと伺える小さな白い前歯を見つめ)
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