甘々 2017-01-02 16:58:52 |
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(/素敵なロルでとても世界観も分かりやすく非常に助かりますよ!此方も何か分かりづらさがあればご指摘願います!)
(水の滴る音、古臭い聖書を巡る紙の擦れた音、自らの呼吸音と内に響く心音以外耳にせずただひっそりと植物園の中で読書をしていた過去は何処に行ったのか、眼前に広がる華やか過ぎる外装ときつい香水の香り、ショーの内容には未だに付いて行けず首を傾げるばかり。団長の慈悲がはたまたそれ以外の目的で連れて来られた奇妙なサーカス団の元で暮らす事何日、何十日と過ぎた事だろう。最初ばかりは行動の制限があったものの今では外以外自由にふらつく毎日、退屈では無いがどうも一人で行動するのは心細く。耳鳴りを起こさなくなっただけましだと自らに言い聞かせながらいつもの如く観客達に混じり可笑しなショーを見物、時折お零れを頂戴している間に今宵のパレードの終演を呼び掛ける男の声と錆び付いたベルの籠った音が鼓膜を震わせて気が付き。躾けられた合図とでも過言では無く、くるりと踵を返して通り過ぎる観客の波に逆らい裏へと周り。人の流れが収まり漸くコツコツと靴底か床を蹴る音が響くようになった頃、己を呼ぶ愛らしい者の声に瞳を細め仕切りの黒いカーテンを片手で押し上げ「___やあ、リズ。今日もとても綺麗だったよ。」貴族御用達の恒例の決まり文句を何の恥じらいも無く薄い唇の端をゆったりと持ち上げ柔らかな微笑みを浮かべながら述べ。派手な衣装を纏う従業員を周りにして洒落た子綺麗な格好をする己はかなり浮いてしまっているが気にはせず、背筋を伸ばして一旦肩などに付着した埃などを払い落とすと今一度相手を見下げ「御使いにでも頼まれたかい、君の事だから安易に頼まれごとを引き受けそうだけれど。」嗜むような目付きで瞳を捉えていたがやがて探るように手に持つ財布へと視線を移し)
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