- ベイビー、ベイビー。 -

把握致しました！ 予め教えていただいたのでお時間のある土日まで1週間以上間があるときも報告は不要ですので。私も遅筆なので、私のレスが週末近いと直後の土日で、という訳にもいかないと思いますので。
なるほど。竜児にやめさせたいとかはあるんでしょうか？
あっそういえば最初の方で萌え要素に口悪いって入れていたのにすっかり忘れてました……。もっとぞんざいな感じにするはずが、ただの口下手ですね。
あ！ いいですね！ 竜児はザルなので潰れるまでは相当飲まないと……。有人くんの誕生日には何かご希望ありますか？
詳しくありがとうございます。そのうち竜児の姉も登場させたいなーとか。思ってます。


（意図が伝わってしまったこと、彼の声の真剣味ににたじろいで、怯えたように手を離すけれど、違うよとは言えなかった。嬉しいと思ってしまったから。代わりに残りの煙を一気に吐き出すと、舌と喉の奥のほうに粘性のありそうな苦味とメンソールの香りが残った。容易く俺の世界の頂点に君臨した彼をずっとその眺めの良い場所に座らせておきたいだけなのだ。ふい、と顔を背けて咥え煙草で窓辺を探る。この部屋に持ち込んだ数少ない私物。煤けた青い小さな灰皿を傍に寄せて灰を落とす。あと一口吸ったら、良い加減起きてシャワー借りよう、そう思ったのに、ねえ、このタイミングでそういう話、する？ 面倒臭いことは早めに片付けようとか、心が油断してちょっとやさしくなってる内に言っちゃおうとか、思ってるなら躊躇なく鳩尾に一発入れてやるんだけど。仕方ないからクールの死骸とそれを載せた青い棺を窓のさんに置いて、時間を稼ぐ。べたつく額を手の甲で拭って、黙ったまま彼を睨む。勿論、賞を取ったことも、どんな写真なのかも、よく知っている。ネットや雑誌でどう評価されてるかとか、素人の感想だって、読めるだけ読んだ。わかったのはその写真の出来やうわべの物語めいたことばかりで、平良有人のことはわからなかった。顔も名前も知られている俺がモデルになる訳にいかないっていうのは当たり前で、でもそれなら人物写真は俺を隠し撮りするだけでいいじゃないかと思う。俺以外の人は撮らないで、なんて言ってしまえる程強くない。「風景だと思ってたんだよ」ぽつり返す。彼は景色を撮るのを好んでいるんだと思っていたから、賞欲しさに審査員受けする写真を撮ったのかな、とか。被写体の人と疚しい関係なんじゃないかな、とか。考えざるを得なかった。受賞したことは素直に嬉しかったのに、期待していたのと随分差のある写真だったってだけで。穏やかな人なんだろうなと確信できるくらいにそのモデルの男の人はよく撮られていて、伝統工芸の美しさとかよりも俺はその人個人に惹きつけられてしまったから、なんていうか。それが嫌だった。芸術だとか何だかそういう自分と縁のないものを神聖化しすぎているだけかもしれないけれど、被写体が誰であろうと同じく美しいものが撮れる筈がないなら、尚更嫌だ。）