201 2016-12-29 23:04:24 |
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ありがとうございます!!竜児くんが仕事してるとことか見に行きたいですし、有人が賞をとった写真の人物も出してみたいですし、ニューヨーク行きたいですし、破局騒動(距離を置くとかでも)もいずれは……とか思ってます……。もちろんできる範囲で構わないんですけども……!
はい、そんな感じです。引っ越し先に関しては都心のマンションかなあとしか考えていなかったのですが、希望等ありますか?
(鳥や兎を相手にしたことはないから、例えるなら夜店の射的の景品とか。カメラと彼の存在は、そういう何かを射るのに似ている。顔が好みだって理由で引っ掛けたその人は日本で有名なモデルで、だけど俺がそのことを知ったのは彼と寝たずいぶん後だった。アルバイト兼風景専門の貧乏写真家はそんな世界に縁などなくて(家にテレビもないし)、出会って数秒で芸能人だと聞かされておいて失礼ながらそのことに半信半疑だったのだ。一応人には言わなかったけど竜児……渡瀬ユアンと寝たなんて荒唐無稽な話、例え行きつけのゲイバーかなんかで口を滑らせたところで誰も信じなかったと思う。でも帰国後たまたまコンビニで手にした雑誌の表紙からこちらを睨むその人は確かに、あの日乱れたベッドの中で俺にしなだれかかっていた男で、シーツを纏った下半身が人魚みたいで綺麗だと褒めたら猫みたいな眼差しが悪戯に細まったのをよく覚えている。それを剥ぎ落として現れた白く細い足に目を奪われていたら、見てないで早くって求められるみたいに唇を合わせられてたまらなく興奮したのだ。日本でも会おうって言ったのはどっちからだったかな。寂しがりな人だった。甘やかしてくれる人に飢えていると言ってもいい。最初さえ間違えなければ、きっと俺じゃなくても落とせたんじゃないだろうか。いわばその程度に脆い人なのだ、四つ上のこの男は。出会った頃を思い出しながら動かしていた手の甲が、ごつんと目当てのものにぶつかって少し痛かった。しびれを切らしたように掛けられた恋人の声に振り向いて、慎重に取り出したミラーレス一眼を手に立ち上がる。軋むベッドに乗り上げて、そっぽを向き三角座りを決め込むその人を太ももで挟むよう覆いかぶさると彼のスマホの傍にカメラを置いた。リップ音付きで額に唇を寄せて、「キスだけ?」なんてくすくす笑いながら問いかけると、返事を待たず肩へ回した手に力を入れ押し倒す。化粧品の味がしたのは気にするまい。待てができないのは俺も同じだから。身体を倒した衝撃でボスンと跳ねた彼のスマホの画面が付いていることにその時ようやく気が付いて、「電源落としなよ」って声をかけた。これは後でいいかとカメラを端に寄せて、今日は妙に間が悪い彼のスマホを手渡そうとして目に入ったのは某SNSのトーク画面。俺は恋人に覆いかぶさりながら「あっ…」って感じの間抜けな顔を晒す羽目になって、手を伸ばしかけたスマホの画面に食い入りながら簡潔かつ変な誤解を招かないよう昼の出来事を説明する台詞を考えた。)
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