201 2016-12-29 23:04:24 |
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モブ登場させるの結構好きなのですが、出してしまってから201様が苦手だったらどうしようと思っていたのでそう言っていただけて良かったです……!
わわ、そうですよね。では夏に日向で数時間車を放置はちょっと大変なことになるので、初夏くらいでどうでしょう?それでこちらは引っ越しやら就職、渡瀬くんは仕事を辞めた辺りを軽く巻いて同棲生活をスタートさせるとしたらちょうど今くらいの時期まで飛ばして……という感じにしますか?
(彼が座ったのを確認して、運転席に乗り込む。初夏の午後。外では温く弱い風が街路樹の枝を揺らしていて、ドアを閉じた瞬間少しむっと熱気を感じた。空はからりと晴れ渡り、真っ直ぐな陽射しを車内に注いでいる。エンジンをかけてエアコンの風を調節していると、ゆらりと覗き込むように視界へ入り込んできた彼と否応なく視線が絡んだ。化粧品の匂い。高いものを使っているのだろうが、近づくとやはり独特な匂いを嗅覚が拾い、ふっと肌へ視線を滑らせる。濃く塗り重ねた厚い化粧、彼と向き合うよう身体を捻ると、「……落とさないまま来てくれたんだ。」なんて呟きステアリングに触れる彼の白い手へ視線をやった。返事を待たずすぐに口を開くと、「運転に支障が出るほどは悪くないよ、普段もかけてないし。ありがとう。」と微笑んでそっと手を重ねる。……乗っていなくちゃいけない理由なんてないのに、代わろうか、なんて。勝手にきつく指を絡めて、一人で勝手に苦しくなった。我儘で嫉妬深い人だってわかっていたのに、昨晩は言葉が足りていなかった自覚があって、でも言葉を尽くすだけじゃどこにも行けないこともわかっている。恋人でもないのに彼の言動は泥のように重苦しくて、実のところ今までの俺なら一番苦手なタイプではあった。手に負えない癇癪、それは彼自身が持て余しているもの。だけどそんな人間を愛してしまったのもまた紛れもなくこの俺だった、から。もう一度彼と視線を合わせ、「……今朝のあれは、これまでのきみだよ。宝物だ。俺が撮った俺だけのきみだから、写真展になんて出してやらなかった。他の誰とも分け合うつもりはない……大事な人だから。スタジオから声がかかったその時から俺の中じゃ引っ越しももう決まったことだったんだ、きみを連れて。」ゆっくりと、言い聞かせるように語った。空気を読まないエアコンの風が音を立てる。ランチタイムが過ぎたファミレスの駐車場はそう混んでいないとはいえ、さすがにここで白昼堂々ハグできないのがもどかしい。だからさっさと絆されてくれよと思いつつ、言葉の選択を誤れない緊張感で眉間に汗が滲むのを感じた。「……好きだよ。竜児は、俺のこと、好きじゃない?」念を押すように付け加えて、様子を窺うみたく目を細める。正念場だと思った。緊張と焦りからか、彼の返事を待たずに言葉を投げかけてばかりだ。……だって一丁前に、今のままじゃ嫌だった。貧乏なフリーターのくせして、トップモデル様とセ.ック.スフレンドじゃ嫌だったのだ。)
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