YUKI 2016-11-19 22:11:18 |
通報 |
汐のからかうような言葉に、水城は白々しい嘘で返す。
数秒の間を置き、汐は改めて聞き直す。
「下手な嘘ね」
呆れたように視線を落とす汐から離れ、水城は汐の隣に歩みを進めた。
「申し訳ありません」
「それで、なぜそんな事を聞きたいのかしら」
汐の言葉を否定しない水城のわざとらしい謝罪に、少し汐は気分を害したが、汐は話を進めるよう促す。
「俺は、俺の友人をあまり困らせないでほしいだけです」
水城もそんな汐の苛立ちに気づき、一言だけ添えその場を後にした。
『水城の友人』とは多分、茅人の事だろう。
水城なりの思いは、汐に苦く響いた。
トピック検索 |