YUKI 2016-11-19 22:11:18 |
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「別に、悩みと言うほどでもないわ。それに話したい事があるのは、貴方の方でしょう?」
汐はドリンクのメニュー表を受け取り、苦笑を浮かべながら水城の気持ちを探る。
汐は水城がこの店でバイトを始めた頃からのつきあいだ。
正確に言えば、汐が常連として通っている店に水城が勤め始めたのだが、それから一年が過ぎ、今では会話に花を咲かせられる程度には親しくなった。
そしてそれと同じく、お互いの性格等も少しは理解している関係でもある。
水城は、決して優しいだけの人ではない。
優しく場の空気も読めるが、知的な狡猾さもあるのだ。
そのため汐は水城と言葉を交わす度に、隙を見せないよう常に気をつけている。
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