審神者 2016-11-08 17:48:49 |
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>宗三 / >17
宗三…?──っ、いや、此奴が注文したのは一つずつでいい。
(やはり自分は思い付きで動くのは向いていないな、と内心反省していれば不意に聞き慣れた声が背後から聞こえ。それに導かれるように目線を後ろにやればそこには外見こそ大きく変化しているが見知った相手の姿が有り、ぱちりと一度瞬きをすると微かに驚きを滲ませた声音で相手の名を呟いて。いつの間に来ていたんだ、と問いかけるべく再び口を開いたものの、それとほぼ同時に店員が注文の確認を始めると慌てて前を向きつつ個数を訂正し。自分からすれば相手が先程注文していたものは一人で食べきれる量ではないし、食べたとしても今度は夕飯が入らなくなってしまいそうだ。何より、主から賜った資金を無駄遣いするなど以ての外である。先程の彼の行動は自分が相手だからこそ起こしたものだろうとなんとなく理解はしているが、一応腕を組みつつ相手に向き直れば「丁度良い所に来たと思えば…余計な出費は浪費の元だ。本丸へ帰還する前に厄介な癖を付けるんじゃないぞ。」なんていつものように小言を並べて。)
>燭台切 / >19
…良い所に来たな、燭台切。
(目の前に並べられた見慣れない商品名は改めて見れば見るほど呪文の羅列のようで表情は険しくなるばかり。今こうして頭を悩ませている原因である彼も時々このように自分が理解出来ないような単語を口にする事が有るが、何故こうもこの時代は横文字ばかり溢れているのだろう。行き場の無い愚痴は自分ももっとこの時代の物について勉強しなくてはという反省に代わり、思わず溜息を吐けば今は取り敢えず目の前の問題をどうにかしなければと再び商品と向き合って。しかし、改めて考え始める前にぽつりと背後から聞こえてきた声は間違いなく今まさに自分が思い浮かべていた相手のものであり、ぴくりと小さく反応を示せば弾かれたように顔を上げ。好みがわからないなら本人に聞いてしまえば良いだけの事。後方に視線をやればそこには確かに相手の姿が有り、これで目的が達成できると先程まで散々巡らせていた思考を打ち切ればその表情に微かに安堵を浮かべて。挨拶を飛ばし早速上記のように声を掛ければ「丁度貴様等に土産物でも買ってやろうと思っていた所だ。貴様はどれが食べたい? 言ってみろ。」と、ショーケースを指先で指し示しながら唐突に問い掛けて。)
>鶴丸 / >21
(なんとなく良さそうなものを選ぶ、なんて選択肢は無いのか頭の中の記憶の引き出しを探りながらあまり悩みすぎても店員に迷惑になってしまうと焦り始めた瞬間。突然視界が暗闇に覆われればぷつりとそれまでの思考を停止させ。突如訪れた不測の事態に何かを考える前に本体である刀を取り出そうと審神者から賜った札が入っている懐に手を入れるが、次に聞き覚えのある声が聞こえてくればピタリと動きを止め。一度冷静になるために短く息を吸って、一拍。先程聞こえた声の主が発した言葉の内容を理解すればすっかり戦闘時に切り替わろうとしていた意識を再び日常へと引き摺り戻して。呆れと怒り、それから相手の存在に気がつけなかった自分への非難が混ざったような何とも言えない感情を重たい溜息として吐き出せば無意識に体に入れていた力を抜き。当てるも何も、自分にこのような真似をする者は今頭に思い浮かんでいる彼の他には居ないだろう。目元を覆うその手を軽く上から叩き外せと言外に告げれば呆気なく答え合わせをするように自分の背後に居るであろう相手の名を呼んで。)
───危うく圧し切る所だったぞ、鶴丸国永。
>鶯丸 / >22
嗚呼、それならこれを──…。
(無駄な完璧主義のせいで悩み続けている最中、不意に聞こえてきたのは今まさに頭に浮かべていた相手の声であり、悩みが晴れたような気持ちで最後の注文を済ませればその直後ハッとしたように目を瞬かせ。一拍遅れ隣を見ればやはりそこには相手の姿が有り、思わずびくりと小さく肩を揺らせば一歩後ろに下がって。考え事をしていたせいですっかり周りが見えなくなっていたようだと冷静に考える一方で心臓は驚きから大きく音を立てており、一層眉間に皺を刻めば「…おい、いきなり隣に立つな。心臓に悪い。」と相手に告げて。)
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