主 2016-11-07 18:03:31 |
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>時雨サン
( 豪快に笑む中で告げられた言葉に数拍双眸を瞬かせ緩慢な動作で反芻する。如何にも空回りで格好の付かぬ己を恥じる事なく、共にいて楽しいとの言葉はまるで温い湯の様にじんわりと心を暖めて行き。同時に疼く胸元の違和感に気付かない振りをしてへらりと笑み「あンがと」と礼を述べ。屋内に入るなり、子供に向ける進言の様な其れに「わァかってるってえ!ガキじゃないんじゃけぇ、手洗いぐらい言われのうてもするわ」拗ねた表情と相対する様に声音は軽やかに楽し気なもの、早速有言実行せんと彼に続いて手を濯ぎ。夜の外気で冷えた手に水道水が掛かれば思わず両手を引っ込めそうになるも、湯へ切り替える程の事でも無くじゃばじゃばと勢いが侭洗い終え。「なはは、おれ身体は頑丈なんじゃが!この前のはぁ、偶然偶然」つい先日、発熱し最後の曲を代打で叩いて貰った事を思い起こしては両頬を少しばかり膨らまし。ライブ中に発熱とはプロ意識に欠いている自身が手際良く世話に成った事は明白な事実だが、執拗な礼は鬱陶しいだろうと切り替えており。言うなり自室へ一旦引っ込み派手な色味のTシャツにグレーのスウェットパンツの姿へ着替えリビングへ舞い戻り。既にソファに腰を下ろす彼の隣へ腰掛け、テーブルに置いたコンビニ袋から手早く摘み各種を取り出して缶を一つ受け取り開ければ掲げつつ「時雨サン、今日はお疲れ様。明日は二人で叩きに行くンなら、今夜はゆーっくり呑めりゃええなって思うとる!かんぱーい」 )
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