主 2016-11-07 18:03:31 |
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>時雨サン
うあ"〜…もう。だっさい、おれ…
( とんとん、と断続的に背を叩く彼の掌に漸く落ち着きを取り戻し生理的な涙が瞳に膜を張り薄っすらと潤んだ瞳の侭自嘲の意を込め苦笑を浮かべ独り言めいた上記の言葉を呟き。覗き込んだ彼とぱちり合った瞳は心配気に見据えられており、彼の兄貴分的気遣いが感じ取れ目尻を下げて「もう大丈夫じゃけぇ」と告げ。彼の前では格好付けて居たい、と漠然とした想いが生まれたのはいつからだったのか。最早思い起こす事さえ困難な程に前々から此の思いを秘めていた様な気も無きにしも非ず。然れど何時もの調子で如何せん空回りしてしまい現状かて肉まん如きに咳込み噎せる始末であり、彼の様な男前には程遠い。眉を下げ如何した物かと考えれど、一朝一夕で答えの出ない物は瞬間的に解答を導く事など到底無理な話で。思い遣りに溢るる言葉に感動の念湧き上がらせながら首肯しては、同様に足早に歩み始め。街灯が灯る道は当たり前の如く黒に塗り潰され、隣を行く彼の表情は窺い知れず若し呆れ返っていたらどうしよ、何て苦悩しつつ横目で見遣る事を繰り返す内に気付けば自宅に到着し。先導してポケットから鍵を取り出し解錠すれば、気の抜けた声音で「ただいまぁ」と誰に言うでも無い言葉を吐き。 )
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