主 2016-11-07 18:03:31 |
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>立夏
(体温を分け合うような心地よさに夢中になってしまい危うく箍が外れそうになった間際、突然胸元を押されるとあっさりと相手を手離してしまい。求める事に傾倒するあまり相手の片手にあった煙草の存在をすっかり失念していたのは己の落ち度だが、何より今の相手を行動させる物は空腹なのだろう。頼りなく室内に響く音に思わず吹き出してしまうと、倦怠感と義務の間で揺れ動く相手を宥めるようにぽんぽんと頭を撫で「はいはい、ラーメンね」とただただ相手の要求を口先ばかりで受け止め。まるで嵐のようにあれよあれよと今後の事が決まって行き、結局何にも口出しはできないまま首筋に擽ったさを感じたかと思えば既に相手は離れていて。“メイク落とさないのは流石に不味いんだけどなぁ”なんて頬にでかでかと描かれた蝶と目尻側の睫毛に付き纏う羽の事を思いながら苦笑を浮かべるも、早くも相手は立ち去ってしまった上己の目の前にはそれよりも切迫した問題が立ちはだかっていて。相手の背へひらひらと手を振り完全に視界からその姿が消えた後、徐に膝に両肘をつき頭を抱え込みながら深い溜息を吐いて。「…おいおい、どんな放置プレイだよ」と生殺しのまま放置された身の上を嘆くが、空腹に耐え兼ねている相手を待たせるのも忍びない。重たい腰を上げると、先程脱ぎ捨てた上着を肩に引っ掛けて楽屋へ向かい。ライヴを終えてから暫く行方を眩ませていた事や打ち上げをすっぽかす事、諸々メンバーからの小言を頂戴しそうな事案を抱えてはいるもののそんな事は殆ど気にならなくなっており)
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