主 2016-11-07 18:03:31 |
通報 |
>一深
(からかいとして送った言葉を冗談と言うには聊か真面目すぎる雰囲気で返されてしまえば戸惑うのは此方の番になってしまい、微かな力加減でスウェットを引くその手をペシペシと軽い力で叩けば「自分、言う様になったなあ!――それとも酒回った?そない酒弱かったっけ?早いなあ!」からから、と明るい声色で冗句にするものの真剣な声色で告げられた言葉はズシリと心臓に残り、若い女の子じゃあるまいに高鳴ってしまった煩い音を誤魔化して。「それが代表の狙いやろ?その変な噂っちゅうのを盛大に立てろってこっちゃ」ズズイと腕を伸ばせばその頭をトントンと撫で叩き迷惑なんて掛からないし、本当に迷惑ならそもそも一緒に暮らしてないと確り訂正してから「今ってすぐ開けれんの?せやったら、頼もかな。いちたんと一緒で今気分えぇから」早いペースで缶を一つ飲み切ればピアスを開けるのに道具が必要と言う事はぼんやり知識の中に有り、一先ず確認を添えながら腹を括って。得意げに胸を張り、お気に入りだと話す彼は一番大事な玩具を持ってきて披露しては尻尾を振る子犬にも見えてしまい自分では格好いいと言うそれすらもひっくるめて可愛いと思ってしまって、新しい缶を開ければ気合を入れるように数口喉に流してから缶をテーブルに置いて「――自分が付けてるっちゅーんが最高に可愛えぇ」口にするのは伝える為と言うよりも独り言に近く、身長差を埋めるように少し背伸びをしては彼の肩を押して背凭れに倒し、先の会話の流れを良い事に半ば奪う様な一方的な動きで唇を重ねて、それだけでは飽き足らずに歯を割る様に舌を侵入させると歯列をなぞり、時に息継ぎの為角度を変えたりして最後には己の舌にはないその異物を実感するみたいに舌を絡めて、は、と短く浅い呼吸をして「ほら、思ってたより気分悪かったやろ?、ゲームもしとらんのに罰ゲームしてすまんな」離した口を伝う銀の糸を指の腹で切り、酒の上の不埒だと言い切れるほど酔ってはいないがやってもやらなくても冗談に変えれるなら、と踏み切った行為の私欲とは醜く、彼の気持ちを一つも汲んでいないと自己嫌悪しバツが悪いと目をそらして、それでも唇に残る彼の余韻を消したくなくて缶に手を伸ばすことが出来ず)
トピック検索 |