主 2016-11-07 18:03:31 |
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>時雨サン
( 缶のぶつかる小気味良い音が鼓膜へ飛来し、眼前の彼と呑んでいるという事が更に現実味を帯び今更ながらに緊張感が背筋を走り。そんな己を余所にぐいぐい酒を煽る姿に可愛らしい見た目とのギャップを感じて、ぷはりと密かに軽く吹き出し。真似て躊躇無く缶の半分程まで飲み干せば、しゅわわと喉元で弾ける炭酸と苦味に至福の表情を浮かべ更にもう一口続いて飲み。すると、とん、と片側に掛かる重みと体温に其方に視線を預ければご機嫌な調子で渾名を繰り返す彼。彼に幾度も名前を呼ばれると不思議の胸奥がじんわり暖かみを持つ事は以前から知り得ており、現在も嬉し気に目尻を下げ「なーに、時雨サン。おれはここにおるよ」と語り掛け。不意に彼の手で、くい、と視線の方向毎固定されてしまえば、視界に映るのは彼しか居らず、抵抗を見せる事無く端正な顔立ちに見惚れ半分何か喋らねばとの焦りが半分。口を開こうとすれば、何やらピアスに興味を惹かれたご様子の彼にふふんと得意気な表情を浮かべ。「ピアスええよ。おれの鰐さんみてーにかンわいいのも仰山あるし。それに、おれ時雨サンとお揃いしたい」右耳のポイントにした鰐モチーフのピアスはお気に入り、それを彼に自慢する様に告げた後半駄目元でぽしょり零し。「んね、いいじゃろ。舌にもあるんじゃ」べえ、と舌を出せば電気を鈍く反射し光るシルバーピアスで。 )
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