語り部 2016-10-17 23:07:53 |
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…参ったな。早々に中てられてしまいそうだ。
(腰に触れる手に促されるまま閑話を終いにして室内へ踏み込んだ刹那。襖が閉まる小気味良い音が聞こえたかと思えば、あっと言う間に背後に回り込まれておりその華奢な手に内腿を探られる感触がして。相手の吐息が耳元を掠め、性質の悪い冗談が脳内に吹き込まれる。甘やかであるからこそ毒を帯びた陰鬱な雰囲気は己の周りには蔓延る事の無い物で、その事実が余計に好奇心と興奮を掻き立てて。そこからまた手を握る流れるような仕草は、相手の視界が常に閉ざされている事を失念させんとする。無抵抗に足を進めながら、口元に困ったような苦笑を浮かべて独り言ち。引き連れられて来たのは此処が身体を重ねる場所であるとまざまざと思い出させるベッドの前。流石、この界隈で一番に高価な男娼だ。片手で口元を覆いながら静かに笑みを溢れさせ、用意された座布団の上に腰を下ろし。だが無論、相手との交わりを求めて訪れたわけでは無い。「お酌、お願いできるかな」此処へ来ると決まって口にする要求は今宵も変わらず、穏やかな声色で告げ)
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