月 2016-09-03 18:33:52 |
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(この屋敷に来てから、なんか違和感があるんだよな…)
なぜ銀色のような平凡な青年が気に入られたのか。
なぜ織と糸の関係に違和感を覚えてしまうのか。
そしてなぜか最近銀色は、自身の『願い』に固執しなくなってきている。
あんなに取り戻したかったはずなのに、なぜ今はその思いに霞がかかるのだろう。
そんな事を考えていると、すっかり眠気は消えてしまった。
「お茶でも飲みに行くか」
確か、普段食事をする部屋にポットも茶場もあったはずだ。
お茶の道具の扱いぐらいは銀色にも出来るし、台所の位置も把握済みである。
朝にでもお茶を飲んだ事を告げれば、彼らも怒りはしないだろう。
「よし、行くかな」
寝間着の上に羽織をかけ、銀色は部屋を後にした。
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