月 2016-09-03 18:33:52 |
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立ち上がり銀色が毛布を畳むと、糸はそれを受け取り部屋の角に置く。
どうせ今晩使うのだろうから、そのままにしておけとの事だろう。
「いくぞ、飯が冷める」
糸の言葉に頷き、どちらともなく部屋を後にする。
ふと、曲がり角の前、銀色の部屋と反対の廊下の奥の部屋から明かりが漏れていた。
「あの部屋、明かりがついてる」
銀色の指摘に、廊下を曲がった糸が数歩後ろに歩く。
「あぁ、良いんだよ。あの部屋は織の部屋だから。さっき夕飯は部屋で食うっつうから、膳も置いてきたしな」
糸の言葉を聞きあの部屋が織りの部屋で、糸と織は別の部屋で過ごしており、今夜の夕飯の席に織はいないという事を、銀色はゆっくりと理解していった。
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