月 2016-09-03 18:33:52 |
通報 |
その様子を眺めていた織は、静かに立ち上がり、縁側に続く襖に触れた。
「そういえば、まだ庭を案内していなかったな」
織の落ち着いた声は、銀色の違和感をかき消す。
穏やかな視線を銀色に注ぎ、僅かな間を置いた後に織の指先が襖を開けはなつ。
結界の向こうから流れる風が、室内に注がれていく。
その風に首輪を引かれるよう、銀色は織の隣に立ち止まった。
「客間とは違う作りなんだな」
ようやく発した銀色の言葉に、織は微笑し説明を始める。
トピック検索 |