月 2016-09-03 18:33:52 |
通報 |
少なくとも、銀色は糸と相性が悪そうだ。
そんな考えを内に秘め、織と糸の後ろについていく。
屋敷の廊下を数歩進むと、前を歩く二匹の足が止まる。
どうやらこの襖の向こうが客間らしい。
糸が襖を開け先に入り、その後ろを織が楽しそうについていく。
部屋の中には銀色から見て右側に、よく分からない鳥と魚の掛け軸が壁に掛けられており、その下に菖蒲の入った一輪挿しが一つ。
左側には特に何もなく、中央には縦に長い木の卓袱台。
上座と下座には何もないが、奥側には二席、手前には一席の座椅子があった。
「どうぞ、座って」
右側に座った織が、微笑み席をすすめる。
左側に座った糸は、お茶の準備をしているようだ。
トピック検索 |