月 2016-09-03 18:33:52 |
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「じゃあさ、明日から準備始めようよ。俺も凪の家泊まって、手伝うし」
「え、桜夜、お前、知ってると思うけど、俺の部屋凄く狭いぞ?冷房も壊れているし」
凪の忠告に僅かな間を置き、数秒後覚悟を決めた眼差しで桜夜は主張する。
「…冷房は我慢するし、狭くても夜は凪と寝るから平気。それに、凪と離れたくないから…」
桜夜の瞳には以前のような怖い色はない。
しかし、それとは別の愛しさを表す色が滲んで見えるのは、凪の気のせいだろうか。
可愛いかった以前の桜夜とも、狂気の色を覗かせていた桜夜とも違う。
今の桜夜はもっと甘く、熱い何かが桜夜の中に見え隠れしている。
しかしあえて凪はそれに触れない。
今はその時ではない気がしたから。
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