月 2016-09-03 18:33:52 |
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どうしたものかと苦悩している凪に対して、先に口を開いたのは桜夜だった。
「もう夏休みも終わるね」
何の気なしに言ったのかもしれないが、凪にとっては話を切り出すのに助かる言葉だ。
「そうだな、大学始まったらこのままってわけにはいかないし、どうしようか?」
凪に決定権のない今、すべては桜夜の言葉が道しるべと言えるだろう。
凪自身、気づいたらそれが普通に思え、今では何の違和感もない。
凪は桜夜が好きで、桜夜は凪が好き。
桜夜が喜べば凪も嬉しいし、その様子を見て桜夜も嬉しそうだ。
なら、ずっとこのまま過ごすのが互いの為なのだろうと、凪は思う。
でも大学が始まると、今のままとはいかない。
どうしたらいいか分からない凪にとって、桜夜に答えを聞くのは当然の事なのだ。
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