月 2016-09-03 18:33:52 |
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数分の沈黙の後、寝室から桜夜が出てきた。
「おはよう凪、夜中寒くなかった?一応毛布は掛けたけど、風邪引いたりしてない?」
小さく欠伸をし、瞳を擦る姿はいつもの桜夜と何ら代わりはしない。
窓もなく、いまだ照明の明かりを灯していないリビングが普段より冷めて思える。
「凪?どうかした?」
桜夜の手により照明のスイッチが切り替えられ、リビングが明るくなる。
それなのに、なぜこんなにも凪の目にはこの綺麗で広いリビングが薄暗く写るのだろ。
何も言葉を発しない凪を見つめ、桜夜はそっと凪の隣に座る。
「やっぱりショックだったよね、こんな目にあったら話なんてしたくないか」
傷つけられ酷い目にあってるのは凪のほうなはずなのに、なぜか桜夜の方が辛そうに見える。
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