匿名さん 2016-08-30 23:37:49 |
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§珠紀
…うん!行こう、拓磨!
(それぞれに、ニヤニヤと見つめながら、無表情ながらもどこか楽しげな笑みを浮かべながら自分らを見てくるふたりの先輩に耐え切れずに、何時も通り茶化すように文句を告げようとして繋いでいた手に温もりが宿ったことに開きかけた口を止めて。拓磨?と、顔を上げればいたずらっぽい笑みを浮かべる彼の顔。何時ものギャップの差か、胸が高鳴ったのを感じながらその誘いに一瞬の迷いもなく笑みを浮かべて返し。手を握り締め走り出して、背中から受ける不満げな怒号に、ごめんなさい、真弘先輩と小さく苦笑をこぼし。して、これからどこへ向かおうというのだろうか。学校に行けば結局はあのふたりと会う事になってしまうと、自分を引っ張るように走る彼の横顔を見上げて。)
§アレン
…リナリー。それは思ってても言わないでください。さっきの、結構恥ずかしいんですからね。
(頬を染める相手の顔。今更ながらに、自分のセリフを思い返して。どこぞの恋愛映画だと、わずかに頬を赤らめれば気まずそうに視線を横に背けて。変にギザで、ああいうのはもっと大人の男性が言うものだろうと、相手は引いてしまっていないだろうかともやもやと考え込んでいれば、差し出したままの手に柔らかな感触を感じて。しかしそれも一瞬で。すぐに汽車を降りていった後ろ姿に、ひっそりと苦笑したあと、そのあと追いかけるかのように個室から出れば心配そうに声をかけてくるファインダーに何でもないですよ、と一言。そのファインダーとともに、人が行き交う駅へと降りて。)
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