YUKI 2016-08-21 01:55:44 |
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その様子を見てから、厨房に戻るともうすぐ牛乳が沸きそうになっていた。
沸く寸前の牛乳を別の小鍋に濾し入れ、ココアの粉末、少量の砂糖を入れ軽く火にかけ、混ぜ合わせる。
再度濾しながらカップに注ぎ、洗い物をシンクに置き水に漬け、二つのうち一つのカップをトレイに乗せ彼の元へ運んだ。
「お待たせしました、どうぞ」
白い湯気を浮かべるココア入りのカップをテーブルの上に乗せると、彼は藤白に礼を述べた。
「ありがとうございます」
彼はどうやら一冊の小説を読んでいたようだ。
中身はカバーがかかっていた為分からないが、おそらく私物だろう。
「本、好きなんですね」
藤白は特に理由もなく、カバーのかかる本を見つめ入った。
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