YUKI 2016-08-21 01:55:44 |
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看板を店内に入れ、藤白が店内を掃除しようと箒を取り出すと、天宮は藤白に声をかける。
「僕はもう出ますけど、無理はしないでください」
「あ、はい、心配させてごめんなさい」
店のドアを開け告げた天宮への藤白の言葉は、決して天宮が望んだものではなかった。
天宮は謝ってほしかったわけではない。
そんな悲しい顔をさせたかったわけでもないのだ。
ただ、心配で、少しでも元気になって、あの暖かな笑みを藤白に浮かべてほしかっただけであった。
しかし実際は、天宮は高校生で、一人暮らしをしているとはいえ、親のお金で生活をしている立場なのだ。
社会人の一人でお店を経営している、強く優しい藤白には頼りなく写るのだろう。
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