YUKI 2016-08-21 01:55:44 |
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「いえ、そんなご迷惑はかけられません、大丈夫ですから」
天宮の言葉に藤白は焦りながら、しかし、はっきりとその提案を断る。
天宮は大切なお客様だ。
その彼に、店主である藤白が私用で頼るのは、何か違う気がする。
天宮は優しい人だ。
そして今の藤白が、無理をする事は良くない。
彼が言う事は正しいかもしれないし、そうすべきなのだと思う。
それでも、嫌なのだ。
自身がここで頼る事で、今まで自身を支えていた『何か』が崩れてしまう気がする。
互いの間に沈黙が流れていく。
しかし時は確実に流れていくし、店を閉めたあとは子猫を迎えに行かねばならない。
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