YUKI 2016-08-21 01:55:44 |
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「わかりました、では、天宮さんとお呼びしますね」
「はい…、て何で笑っているんですか」
声は出さないでいようとしてもどうしても笑いが隠せない藤白に、天宮は少し怒ったフリをする。
その様子がより高い笑いの波を起こし、もう藤白には押さえられそうもない。
天宮は天宮でどうしたらいいのかと別の悩みが生まれているようだ。
ようやく落ち着いたのは十数分後で、ずいぶんと会計を待たせてしまった。
「では、天宮さん、またのお越しをお待ちしていますね」
「また来ます、藤白さん」
店を出る天宮を見送り、そのまま店の前の花壇に咲く紫陽花に目をやる。
青空の下の紫陽花は、薄い青を帯びていて綺麗だ。
明日も良い天気になることを祈り藤白は店に戻った。
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