彼に礼を言い、冷めたココアをシンクに片づけ席を立つ。 「じゃあ僕は帰ります、ココアごちそうさまでした」 鞄を片手にドアへ向かう彼に藤白は傘を渡した。 「あの、外はまだ降っているようですし、よかったらコレを使って下さい」 「え、でも」 困ったような顔をする彼に藤白は強引に傘を渡した。 「駄目です、風邪をひいたら大変でしょう?傘は返さなくても良いですから、受け取って下さい」