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No.1
by YUKI 2016-08-21 02:23:23
+ プロローグ +
高校一年生の夏休み、私、藤白雪(フジシロユキ)は初めてバイトというものをした。
『高校生になったらバイトとかしてみたいな』なんてたわいもない理由だったが、それがきっかけで私の人生は変わってしまった気がする。
そのバイト先は高校近くの、小さな喫茶店だった。
大きな窓から木漏れ日を沢山吸い込んでいた喫茶店は、まるで外とは違う時間が流れているように感じたものだ。
室内の珈琲の香りは、BGMの名も知らないクラッシックの音に乗るよう、優雅なものだったのを今も覚えてる。