月 2016-08-05 23:20:23 |
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考え事をしているラビにとって、食堂からアレンの部屋に続く廊下は、いつもより短く感じてしまう。
アレンになんと告げるべきだろうか。
前を歩いていたアレンが立ち止まったのは、言い言葉が浮かばずラビがため息をついたのと、ほぼ同時だった。
「着きましたよ、ラビ」
「え?あ、あぁ、邪魔するさ」
アレンの後に続き室内にはいると、ラビは後ろ手でドアを閉め、鍵を締める。
今から話す事は他の誰かに聞かれるわけにはいかない。
「ラビ?座らないんですか?」
アレンの声が近く聞こえるのは、距離だけではないのだろう。
アレンの声が近いのも、心臓の音が響くのも、ラビ自身の緊張からくるものだ。
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