その年の初雪は早かった。 黒の教団の中庭にも深々と雪は積もり、まるで黒いキャンバスに白い絵の具を落としたように思える。 しかし書物を漁り、記憶を取り続けるラビの体に冷気が触れる事はない。 それは行為による集中力からくるもどなどではなく、この室内にある暖房によるものだ。 「はぁ、ようやく終わったさ」