月 2016-08-05 23:20:23 |
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冷静になればなるほど虚しさがラビの心に広がっていく。
「俺、ちょっと頭冷やしてくる」
しかし苦笑し部屋を出ようとするラビの動きは、神田の一言で止まる。
「待て、まだ俺は何も答えていないだろう」
この後に及んで答えを言われても虚しいだけなのだが、確かにこちらの言い分のみ伝えて部屋を出るのは失礼かもしれない。
聞きたくはないのだが、そうもいかないのだろう。
「わかった、じゃあユウの答えを教えてくれ」
何ともないと言ったような態度で神田の答えを待つ。
今のラビに出来るのはそれが精一杯の虚勢だ。
しかし、なかなか神田は口を開かない。
十数分はたっただろうか。
突然の出来事や言葉に混乱し答えを探すのに苦労しているのかもしれないが、待たせるくらいなら早く答えてほしいと思うのはラビのわがままでしかないのかもしれないがそれでも長い。
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