月 2016-08-05 23:20:23 |
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「そりゃそうだよな、俺なんかに襲われてもさ」
自嘲気味に笑いながら、内心は今にも壊れてしまいそうな感覚に襲われる。
初めから分かっていた事のはずなのに、自身で望んだ事なのに、なぜこんなにも苦しく痛むのだろう。
泣きたいのは、傷ついているのはユウの方なはずだ。
それなのにと言葉を紡ぐことも出来ず、沈黙が流れる中先に言葉を発したのは神田であった。
「違う、そういう事ではない、逃げないから一度手を離せ」
その言葉にあれほど心を染めていた黒い物が、ラビの中で薄らいでゆく。
逃げないと言っているし、これ以上神田を傷つけても意味がないと悟ったラビは、その手の力を抜き神田を解放する。
押さえつけられていた神田の手首は少し紅く痕が付いて、それだけラビが力を入れていた証拠といえるだろう。
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