月 2016-08-05 23:20:23 |
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「月ってさ、こう、手に届きそうで届かないのな」
突然意味不明な言葉ともに空に優しく輝く月に手を伸ばし苦笑いを浮かべるラビを見て、神田は呆れたような声を出す。
「あたりまえだろ」
月に手が届かないと言うのは現実の距離を考えれば当たり前の事であり、それが分からないとはこいつはやはり馬鹿な兎なのだろうかと神田は眉間に皺を寄せ考えてしまう。
「まあそうなんだけどさ」
神田の言葉に切なさを覚え『ユウへの想いを月に例えた』などという気持ちを口に出すことも出来ず、苦笑いを浮かべ一言返すしかないラビは自らを滑稽に思えた。
おそらくユウは自身の気持ちなど知りはしないし、知ったところで受け入れてもらえるとは思えない。
ならばいっそ、強引な手にでて酷い振られ方をしたほうが楽になれるのではないだろうか。
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