黒猫 悠華 2016-07-27 20:46:22 |
通報 |
「……悠夜ぁ……」
俺は一瞬戸惑う。
ここには俺とレナしかいない。
あの声がレナだとしてあんな声聞いたことない。まぁさっき会ったばかりだが。
振り向くと、俺の後ろには少し幼い顔のレナがいた。
「…こ、怖いよ、私、怖い。こんなの、初めて。ねぇ、どうすればいい?私、ずっと1人だったの。どうすればいいの…?」
本音なのかもしれない。今まで誰も頼れなかった人の初めての叫びかもしれない。叫ぼうとしても叫べなかった。その方が正しいか。
俺は1人じゃなかった。最初は。
初めて自分は1人なんだと思い知ったとき、急に孤独感にかられた。今まで周りにいた人が遠くへ、手の届かないところへ、行ってしまったような気がして。
そんななかで頼れる人なんかいるはずない。
だから…だから。
「なぁ、レーナ。俺らさ、どーせなんかしないと出られないんだろ?だからさ、それまででいいからさ」
それは俺の心の叫びでもあったかもしれない。
それは自分を満たすために言った言葉かもしれない。
でもそれは、一番、2人が互いのことを知るきっかけのような気がした。
「━━家族に、なってくれないか?」
トピック検索 |