黒猫 悠華 2016-07-27 20:46:22 |
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「レナ。やろうぜ。それしかないだろ?」
…俺は、気付いたときには1人ぼっちだったから。1人ぼっちはもう嫌だ。
だから一生懸命頑張った。誉められたくて。頭をなでてもらいたくて。自分を認めて欲しくて。ここにいてもいいんだよ、っていう証明がほしかった。
だけど、俺には才能がなかった。
何をやってもだめ。想像した物とは絶対に違う結末になる。全部がBad end。何もおもしろくない。
“生きる意味”がないのも当然、だろ?
レナはまだうつむいたままだ。
「……どーせ、無理じゃない。生きる意味もキョーミないわ。もう、どうでもいい……」
「んなこというなよ。あのな、レナ。お前はお前なんだよ。俺が言う資格はねぇけど、さ。
“生きる意味”がないのなら、作ればいい。
自分を、居場所を、存在を、そして意味を」
「なんでそこまで言えるの。あなたはこのままでいいとは思わないわけ?」
俺は1つ深呼吸する。
「俺は生きたいんじゃない。死ぬ、という人間の最高の時間を体験するために生き返るんだ」
レナの頭の上に乗せている手ではない方の手のひらを上に向ける。
俺は試しに、愛用していたPCを出してみた。……本物…。
「まず…ここに家っていえる拠点でも作ろうか」
「………勝手にして」
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